相続、相続税、相続相談

制限納税義務者と財産の所在地

相続の直前に財産を国外に移転し、国外に住所を有する子に相続させるなどして、課税を逃れるスキームが横行したことから、平成12年度の税制改正以降、相続人が相続時に国外に住所を有していても、日本国籍を有しており、その相続人又は被相続人が相続開始前5年以内に日本に住んでいたことがある場合には、取得した国外財産にもわが国の相続税が課されることになっています。
いわゆる非居住者無制限納税義務者に該当し、国内に住所を有しているものと同様に、取得した財産が国内、国外のいずれにあるものでも課税対象となります。
一方、「制限納税義務者」に該当する者であれば、相続等で取得した国外財産につぃては課税されません。制限納税義務者とは、相続時に国内に住所を有していないいないもの(非居住無制限納税義務者を除く)のことで、その名のとおり、課税対象となる財産が国内財産のみに制限されます(相法1の3三)。他方、控除できる債務も国内の財産に係る債務のみに限定され、負担した被相続人の葬儀費用も控除できません。
制限納税義務者に該当する相続人にとっては、取得した財産が相続時において、日本国内又は国外にあるものなのかが重要となります。そのため、相続財産の所在地の判定方法については、財産の種類ごとに相続税法10条1項、2項に列挙されています。
例えば、不動産等については、その不動産の所在地、預貯金についてはその預け先の営業所等の所在地で判定されます。一方、株式等の場合は、株式そのものが保管されている場所ではなく、その株式を発行している法人の本店の所在地になるため、相続時に株式そのものが国外になったとしても、日本法人が発行した株式であれば、国内にある財産と判定されることとなります。
他方、相続税法10条1項、2項に列挙されている財産以外は、被相続人の住所地が財産の所在地となります(相法10③)。例えば、現金は相続時に現金そのものが国外に住んでいる子などに預けられていたとしても、被相続人の住所地にあるものとして判定されます。

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